2008年12月3日水曜日

最強のハイキックの使い手は誰だ?





 史上最強のハイキックの使い手は誰だろうか?

 結論から言おう。MMAならミルコ・クロコップ、K-1ならピーター・アーツだ。

 議論は無用。まずは動画を見てほしい。

 ミルコは、立ち技の打撃で総合格闘技を席巻した、数少ない選手の一人。

 なぜミルコのハイキックが総合で効果を発揮したかと言うと、僕はミドルキックやローキックと判別がつきにくいフォームから、ものすごいスピードでハイキックが来るからだと思う。

 食らっている選手の映像を見ると、ミドルをガードしようとしている自分の手の動きが邪魔になって、ハイキックが見えていないのではないかと思うのだ。

 また、ミルコのハイキックのすごさは、その正確性もあげられる。

 的確にテンプルや首筋、顎などのKOできるポイントをけっている。

 中には、頭頂部にかする様にハイキックを当ててダウンを奪っているシーンもある。

 恐ろしい正確性だ。


 そんなミルコでも、立ち技巧者の多いK-1でハイキックでダウンを奪っているシーンは数えるほどしかない。

 それに対し、ピーター・アーツの全盛期には、そのハイキックは無敵の兵器のイメージがあった。

 接近戦での撃ち合いで打ち勝ち、逃げるように離れる相手をなぎ倒すハイキック。

 もみ合いで打ち負けずに打ち返そうとしてくる選手を押しのけつつ強引に放つハイキック。

 ミルコのハイキックがスナイパーなら、ピーター・アーツのハイキックは大砲のようだ。


 甲乙つけがたいが、ピーター・アーツが総合でこのように効果的にハイキックを使えるとは思えないし、逆にミルコもK-1でまれにしか効果的にハイキックを使えなかったように、それぞれのハイキックの特徴が、効果的な場面であらわれた、と言うほかないだろう。