2008年12月31日水曜日

WBCタイトルマッチ 内藤大助VS山口真吾



ちょっと遅れましたが、23日に行われた内藤大助と山口真吾のWBCタイトルマッチをレビューしたいと思います。

非常にいい試合でしたね。変則ながら相手のパンチをもらわず的確にパンチを当てる円熟のボクシングを見せるチャンピオン、内藤と、打たれても打たれても前に出続ける精神力を見せつける挑戦者。

序盤、カウンターを狙うあまり内藤よりも手数が少なかった山口ですが、それでも決して逃げではなく、常に内藤の懐に飛び込みインファイトのボクシングに持ち込もうとする、アグレッシブな姿勢は素晴らしかった。

ポイントリードしても、逃げのボクシングをせずに攻め続けたチャンピオンも素晴らしかったと思います。これぞ世界タイトルマッチ!という内容のボクシングでした。

11Rに、内藤の打ち下ろしの右をくらい、とうとうダウンを喫してしまった山口に対し、ラッシュで一気にレフェリーストップを奪われ、力尽きた挑戦者・山口。

しかし、山口の前に出続ける勇気には涙が出そうでした。

チャンピオン・内藤大助にも、挑戦者・山口真吾にも、素晴らしい試合を見せてくれてありがとう、と言いたいです。

大みそか FieLDS Dynamite!! その3

大みそかのFieLDS Dynamite!!予想の続きです。

第13試合 DREAMヘビー級93.1kg以上

ミルコ・クロコップ対チェ・ホンマン

 チェ・ホンマンはもともとシルム(韓国相撲)の選手で、過去ヒョードルとの総合の試合でも、先にテイクダウンをとったのはホンマンだった。だから、ミルコのような立ち技の総合の選手にはいい試合するかもしれないが、決める技術はないだろうからこう着した試合になるだろうなあ・・・

 ミルコは寝技ではたぶん苦戦すると思う。ホンマンは立ち技では判定クンだし、あんまりおもしろい試合にはならないかなあ。

 予想:判定でドロドロのドロー。


第14試合 K-1無差別級
武蔵VSケガール・ムサシ

このカードを見たとき、谷川はアホだと思った。ダジャレにも話題づくりにもならん。
DREAMミドル級GP王者のケガール・ムサシも、武蔵をも冒涜しとる。

予想は・・ま、K-1ルールだし、体重も違うので判定で武蔵だろ。ケガール・ムサシがもともとは打撃(ボクシング)の選手とはいえ、体重の違う相手にK-1ルールじゃ話にならんでしょ。


第15試合 DREAMヘビー級93.1kg以上 ※特別ルール5分3R、インターバル60秒
メルヴィン・マヌーフVSマーク・ハント

ジェロム・レ・バンナの欠場で、急遽決まったこの試合。
ジェロムとハントは、過去四度にわたる名勝負を繰り広げているので、チョイ残念(K-1でだけどね)。
これは体重があるマーク・ハントが有利だと思う。マヌーフの兇暴なラッシュも、ハントには通用しないだろう。で、フックでKOかな。

第16試合 DREAMライト級70.0kg以下
青木真也VSエディ・アルバレス
これは勝敗の予想が付けにくい好試合だと思う。青木は寝技しかない選手だけど、強烈な決めの強さが持ち味の選手。アルバレスはレスリングをバックボーンにした、身体能力のあるトータルファイター。寝技で青木がどれだけアルバレスをコントロールできるかがカギ。

予想:五分五分。青木がフットチョークを決めるか、アルバレスがパウンドでKO。どっちにしても、グラウンドの攻防で決まると思う。

第17試合 DREAMライト級70.0kg以下
ヨアキム・ハンセンVS JZカルバン
いいねえ、この試合も。だが、この試合はハンセンがはっきり有利だと思う。何でもできるトータルファイターのハンセンに対し、カルバンは立っても寝ても打撃の選手。紙一重だとは思うが、立ち技で決まらなければ、ハンセンが寝技で仕留め切れると思う。

予想:チョークでハンセンの一本勝ち。立ち技でどちらかがKOする可能性もあり。

第18試合 DREAMミドル級84.0kg以下
桜庭和志VS田村潔
この試合は、どっちかと言うと煽りのほうが楽しみ。桜庭有利の声のほうが多いと思うが、実は勝敗の行方が分かりにくい好勝負だと思う。
桜庭は相手に合わせちゃうところがあるからね。判定までもつれ込むかもしれない。

胸躍る試合になると思うので、結果の予想はこれ以上しません。

2008年12月30日火曜日

大みそか FieLDS Dynamite!! その2

 大みそかのDynamiteの続きです。

 第7試合はK-1甲子園。前の記事でコメ済みですので省略。
 
 第8試合 DREAMヘビー級93.1kg以上 PRODUCED by DJ OZMA ~Featuring ゆでたまご~
 ボブ・サップ対キン肉万太郎

 正直、キン肉万太郎がどんな選手なのか分からないので、どういう結果か予想できませんが、全日本レスリングで何度も優勝している強い選手らしいので、素顔で試合させてあげたいような気がする。話題とりいらねーし。

 ボブ・サップは、最近練習不足と根性のなさを露呈したしょーもない試合が多いので、あんまり期待していない。たぶん、試合の恐怖が刷り込まれちゃったんだろうな・・・


 第9試合 DREAMヘビー級93.1kg以上
 セーム・シュルトVSマイティ・モー

 これ、総合ルールでやるんですね。K-1では無敵を誇るセーム・シュルトですが、今MMAに戻ったらどういう試合になるのか、気になるところではあります。

 ただ、打撃主体の試合になると思うので、シュルトが有利かな。シュルトは総合でのキャリアも結構あるし。シュルトは、以前マイティ・モーと同タイプのマーク・ハントをK-1ルールでKOで下しているし、マイティ・モー
はシュルトよりも大きいチェ・ホンマンをK-1ルールでKOしているので、面白い試合になるとは思うんですが。

 予想:難しい・・・どっちが勝つにしろ、早い回のKOになると思うが、シュルト有利

第10試合 DREAMウェルター級80.0kg以下
桜井”マッハ”速人VS 柴田勝頼

これは、柴田の減量次第だと思う。マッハは、この体重で全然いけるけど、柴田はかなりの減量になって、実際減量苦で前日の記者会見を欠席しているらしい。

そういうわけで、あんまりすっきりした試合にはならないかも。

予想:判定で柴田・・こう着しそうな気が。

第11試合 K-1 ミドル級70.0kg以下
武田幸三 VS 川尻達也

うーん・・・どうしてこうもジャンル違いの選手を戦わせたがるかね?主催者の谷川くんは。

今回の大会、こんなのが多すぎるぞ。大みそかだからしょうがないのか?
武田はキックの選手、川尻は修斗出身の総合の選手。これをK-1ルールで戦わせてどうする。

まあ、武田有利なんだろうが、川尻も打撃が強いので、いい試合になるかも知れんが、選手が壊れるのを見たいわけじゃない。

予想:武田のローキックでのKO勝ち。もし川尻が、武田の見えていないという片目の視覚から攻めることを実行し、成功すれば、川尻のKO勝ちもあり得る。

第12試合 K-1無差別級 ※延長3分1Rあり
バダ・ハリ VS アリスター・オーフレイム
バダ・ハリの反則騒動がまだ記憶に新しいので、いろいろ物議を醸す試合にもなってはいるこのカード。
これはK-1ルールだったらバダ・ハリの勝利だろう。だが、アリスターもMMAにあがってはいるが、打撃の選手でかなり強力な打撃を持った選手だけに、結構面白い試合になるかも。

予想:バダ・ハリの判定勝ち。アリスターの強力な打撃にはてこずるだろうが、カウンターを決めてダウンをとって判定にもつれ込むと読んだ。

大みそか FieLDS Dynamite!!のカード その1

 今年の大みそかのダイナマイトの試合カードだす。

 皆さんの注目のカードはどれですか?


 ちょっと僕なりのコメ付きで、予想してみます。

●第1試合 DREAM無差別級
ミノワマンVSエロール・ジマーマン

ウーン、主催者側もよくこんなカード組むよな。おそらく総合ルールだけに、ミノワマンの勝ちだろうが、人気者のミノワマンを勝たせたい意図が見え見え。

まあ、エロジマンの打撃が先に当たれば分からないけど。

予想:ミノワマンのタップアウト勝ち。腕関節で決まるかな?


●第2試合、第3試合 K-1甲子園 62kg以下
日下部 竜也VSト部 功也

HIROYA VS嶋田 翔太

K-1甲子園のカードは、正直予想できないっす。この両試合の勝者が、第7試合で戦うことになるんですが、おそらくHIROYA有利かと。他の選手よく知らないし。

今まで放映された試合見てると、HIROYAは技術的に突出している感じはあります。


●第4試合 第4試合/K-1 ミドル級71.0kg以下 ※延長3分1Rあり

佐藤嘉洋VSアルトゥール・キシェンコ

これはいいカードですね。幻のK-1MAX決勝戦です。キシェンコも強いし、判定までもつれ込むかな。でも、佐藤にすっきりKO勝ちしてほしい。

予想:判定で佐藤

●第5試合 DREAMライト級68.0kg以下

所 英男VS中村 大介

前田の弟子対田村の弟子。まさに史上最強の弟子対決(史上最強の弟子ケンイチみたい。)所は、山本KIDの弟子の山本 篤に負けてるので、KIDへの挑戦ができなくなっちゃったのかな?

中村は目立たないけど、結構好試合をする選手なのだが・・・体重が違いすぎる。中村の勝ちは動かないかな?

予想:判定で中村の勝利

●第6試合 DREAMウェルター級75.0kg以下

坂口 征夫 VS アンディ・オロゴン

アンディはもう飽きた。遅咲きの坂口に勝ってほしい。
坂口は、父は言わずと知れた元・プロレスラー、世界の荒鷲こと坂口征二。そして弟は俳優の坂口憲二。
結構打撃の強い選手なんだけど、打撃勝負になるとナチュラルに身体能力が高く打たれ強いアンディを倒し切れるか?試合自体は結構いい試合になると思う。

予想:判定で坂口。アンディが勝つとしたら、早いKO。

2008年12月8日月曜日

バダ・ハリのいいところが出た名勝負



 K-1 GP2008の準決勝、バダ・ハリとエロール・ジマーマンの試合もいい試合だった。

 ただ、振り返ってみれば力量は完全にバダ・ハリのほうが上だったと思う。

 ジマーマンは、どちらかというとパンチが主体の選手。

 長いリーチ、スピートのがあるストレート系パンチを持つバダ・ハリは、おそらくパンチで攻めてくる選手にめっぽう強い。

 クールに見て行くことができれば、パンチ主体の選手にはほぼ負けないだろう。

 相手がパンチで攻撃にきた瞬間に、カウンターを合わせることができるから。パンチの刺し合いにめっぽう強いのだ。

 一回戦のピーター・アーツの足が効かなくなっていたのも、ハリが試合開始直後、パンチで前に出たアーツにカウンターを決めてからだし、このブログでも一度紹介したカラエフとの名勝負も、カラエフのフックに対しストレートでのカウンターでKOしている。

 バダ・ハリが雑なアッパーを繰り出したところにエロジマンの右が合い、先制のダウンを奪われたものの、アッパーを出すとき態勢が崩れたところに合わされて倒れた、という印象で、決定的なダメージにはなっていなかったと思う。(体重が前に乗っていないので、カウンターにはならない。)


 だが、バダ・ハリのパンチはかなりの率でジマーマンが攻撃を繰り出すところにカウンターであたっており、KOの出やすい攻撃となっていた。

 ハリの左ジャブ、右ストレートのリーチの長さとスピードが効いていた。


 ほんと、すごい選手なのになあ。もったいない。

 決勝で、レミーに対してイラついてあんな攻撃したのは、レミーがロー主体の選手で、今までの戦法が通じないいらだちもあったんだろうなあ。

衝撃のフライングミドル




 今回のK-1 GP 2008で、一番印象に残っているシーンは、これ。

 準決勝で、レミー・ボンヤスキーがグーカン・サキをKOしたフライング・ミドルキック。

 あの距離を、すげえスピードで飛んできて、膝との二択。

 防げるわけがないと思う。

 解説の魔裟斗の、「アバラ 2,3本いっちゃってるんじゃないですか?」

 も、納得の攻撃。

 でも、グーカン・サキもいい選手だよね。この2年でキックボクシング20連勝ってんだから。

 ルスランを倒したバックハンドブローも説得力十分だったし、ファイトに負けん気がにじみ出てて非常に好感が持てる。

 ただ、小さい選手だから、圧力で負けてたのと、相手がレミーだった、というのが運が悪いといえば悪い。

 どっちかと言うと、もうちょっと軽い階級で真価を発揮する選手じゃないかな?

2008年12月7日日曜日

K-1 2008 GPについて、ちょっと邪推

 結局、バダハリの騒動でうやむやになったけど、今回、3連覇中だったセーム・シュルトがトーナメントに残れなかったことで、他の選手にもトーナメント制覇のチャンスが出てくるな、と思っていた。

 何しろ、セーム・シュルトには、K-1という枠内では穴がない。

 長身から繰り出される長いジャブと正拳、前蹴り。

 近づけば必殺のヒザ。遠く離れても、マーク・ハントをKOした強力な後ろ回し蹴りという武器も持っている。

 相手からすると、なんとか近づいても危険だし、長身ゆえに顔面への攻撃をクリーンヒットさせるのは至難の業。

 そのシュルトに対し、アーツは対戦を自ら直訴したんだそうだ。




 動画を見てほしい。2006年でのGPで、アーツは常に前に出るファイトで、シュルトを抑え込んでいた。アーツ対シュルトの戦績は、2008年の9月の試合までは1対2でシュルトが勝ち越しているが、アーツはシュルトを抑え込み、下がらせること自体には成功している。

 これでピーターは、シュルト攻略法をつかんだんだと思う。

 「倒せなくても、常にパンチとローで前に出て、前蹴りを出させない距離で、ひざをもらわずに押し続ければ判定で勝てる」と。

 それで怪我をしやすいトーナメントではなくワンマッチなら判定で勝てる、と踏んでいたんだと思う。

 ベテランで、しかもシュルトの巨体を押しこめる圧力があるピーター・アーツという選手だからこそ、ワンマッチでなら勝てた、ということなんだよね。

 他の選手なら押し込めないし、押しこんでもひざをもらってKOされてる。

 おそらく谷川さんも、ピーターと同じことを考えたんだろう。トーナメントの前の試合でシュルトとの試合を組んで、シュルトをトーナメントから排除しよう、と考えたんじゃないだろうか。



 このトーナメントは、はっきり言ってバダ・ハリのために組まれたようなトーナメントだったように見えた。

 今の、腰を痛めて以降スピードに衰えが見えているアーツとバダ・ハリなら、どう見てもバダ・ハリが勝つ。アーツが全盛期のようにハリを倒せるとは思えない。

 そして、エロール・ジマーマンやエヴェルトン・テイシェイラは、まだK-1の本当のトップ選手と戦って勝ったことがない。(ジマーマンはグラウベ・フェイトーザと戦って勝っているけど、フェイトーザはどうも衰えが見えるし。)

 どっちが上がってきても、バダ・ハリが勝ちそう。

 そして、反対側のパートから上がってくるのは、おそらくレミーかルスランだが、もしどちらが上がってきても、大きなダメージを負っているだろう・・・

 なんて谷川さんの思惑があったように見えるのは、僕だけだろうか?

 ただ、そうやって組まれたトーナメントで、何が起こったか?


 おそらく、バダ・ハリも今回は自分の優勝を、運営者側が期待している、というのは分かっていただろう。

 甘やかされた選手が、自分は何をやっても許される、と思ってあんな結果になった、と言えなくもない。

 シュルトが上がってきて、バダ・ハリをたたきのめしていれば、盛り上がりはしなかっただろうが、正当な試合がみれてまだすっきりしたような気がするのはおれだけか?

 おそらく、シュルトとバダ・ハリがやったら、シュルトが勝つと思う。バダ・ハリは、リーチとスピードを生かしたカウンターが強い選手であり、自分よりリーチが長いシュルトにはその武器が生かせないからだ。

 運営者側の思惑が入ったマッチメークにより、このトーナメントの失敗は起こったような気がしないでもない。

最近のヒョードル

 実は最近、ヒョードルがコマンドサンボの試合で負けたみたいですね。

 ちょっと信じられん。

 ヒョードルは、MMAの世界ではまだアクシデントでカットによるドクターストップでしか負けたことがない選手。

 ロシアでのコマンドサンボでも、8年間無敗だったそうなんだが・・・


 この11月16日、コマンドサンボ世界選手権100キロ超級に出場。準決勝でブルガリアのブラゴイ・イバノフに判定で敗れ、銅メダルに終わったんだそうな。


 どうも、コマンドサンボって一応総合のルールに近いけど、投げのポイントが高い、柔道のようなポイントの付け方をするらしくて、投げでのポイントを挽回できなかった、というのが敗因らしいが。

 それでも、8年無敗だったってだけで十分化け物だと思う。


 MMAでは、7月19日にAfflictionBANNEDで、前UFCヘビー級王者のティム・シルビアに何もさせずに36秒でタップさせたという無敵ぶりはまだ健在なんだけど・・・・

 やっぱり、競技の選手の若い世代の中には、ヒョードルを破るような潜在能力を持っている選手はいるんだろうな、という気がしている。

2008年12月6日土曜日

バダ・ハリには、試合よりも厳しい試練が待っている・・・・

 

今日、K-1の2008年の締めくくり、K-12008GPが行われた。

 全体的に好試合が多い大会だったが、決勝戦のレミー・ボンヤスキー対バダ・ハリの試合

で、盛り上がりに水を挿されたような結果となってしまった。


 一試合一試合のレポートは後の記事に回し、この決勝戦と、僕のバダ・ハリへの見解をこの記事では書いていきたいと思う。

 解説の魔裟斗の言っていた通り、僕は、バダ・ハリが左ジャブでどれだけ固いレミーのガードを崩せるかがポイントだと思っていた。

 まず、第一ラウンドに、レミーが左フックで先制のダウンを奪う。


 スローで見ると、バダ・ハリはレミーの左フックのあと、追撃の右ミドルをかわし、その動きの中でのダウンのように見えた。

 バダ・ハリにダメージはあるものの、決定的なダメージは受けておらず、まだまだ第二ラウンドはバダ・ハリの巻き返しはある、と見ていた。

 かくしてそのとおりになり、バダ・ハリの左からのラッシュが始まり、バダ・ハリにとって最大のチャンス到来!という時に、事件が起こってしまった。

 バダ・ハリのラッシュの圧力でスリップダウンしたレミー・ボンヤスキーに対し、レフェリー角田信朗の制止にも関わらず、ハリはパンチと踏みつけで追撃を加えたのだ。

 これでレフェリー角田は、バダ・ハリにイエローカードを提示し、5分間インターバルを置きレミーの回復を待つ。が・・・

 結局、レミーは回復せず、バダ・ハリはレッドカードを提示され失格となってしまった。

 非常に残念な幕切れだ。

 せっかくの好試合続出の大会が、水の泡となってしまった。


 おそらく、バダ・ハリには、厳しい処分が下るだろう。
 
 魔裟斗が言うように、1年間の出場停止となってもおかしくはない。

 ただ、今回のバダ・ハリの反則は、レミーを倒す絶好のチャンスを迎えた、バダ・ハリが我を忘れてしまった結果、起きた反則だ。

 引きあいに出すのもなんだが、亀田大毅と内藤大介の試合での反則や、秋山成勲と桜庭の試合のような、大人の戦略(勝つためには何をやってもいい的な発想で行われる)の反則とはまるで質が違う。

 おそらく、バダ・ハリの来たチャンスを何が何でも逃さない、という気持ちが空回りした結果だと思うのだ。

 バダ・ハリにそうさせてしまうほど、今日のレミー・ボンヤスキーは出来がよく、強かったとも思う。

 とはいえ、バダ・ハリの精神的未熟さが招いた反則であることには変わりないのだが・・・


 これからバダ・ハリには、今までの、周囲からの期待による重圧よりも重い、厳しい試練が待っている。

 それを乗り越え、成熟したK-1GP覇者となっているバダ・ハリが見たい。


 それができるだけの、才能をバダ・ハリは持っているのだから。

 絶対に復活しろよ、バダ・ハリ!

2008年12月5日金曜日

今後注目しているカード 五味VS北岡



今、一番楽しみにしているカードがある。

2009年の1月4日に予定されている、戦極でのメインエベント、~戦極の乱2009~ 戦極ライト級チャンピオンシップ  五味隆典と北岡悟との試合だ。

PRIDE武士道では、KO率8割を誇り、圧倒的な存在感を醸し出していた、”天下無双の火の玉ボーイ”、五味隆典。

レスリングをバックボーンとしながら、ボクシング技術にも優れ、組んでもひざ蹴りに強いストライカータイプ。

高田延彦が、「軽量級のヒョードル」と評したように、PRIDEでの五味はのっているときには誰よりも強い、と思わせる、無敵感を誇っていた。

世界的にも軽量級では最強に近い選手と認知されていて、このサイトでは今でもMMAのライト級では一位にランクインされている。

他にもいくつか世界の総合格闘技選手のランキングをしているサイトがあるんだけど、そこでは10位以内にランクインしているものの、前よりランクは落ちてるみたい。

動画を見ていただければ、PRIDEのころの五味の勢いを感じてもらえると思う。

(ブラジルのシュートボクセ・アカデミーのルイス・アゼレードを左右のフックで失神KO。しびれるよ)

だが、五味は結構モチベーションのアップダウンが激しいようで、目標を達成したあと、練習不足によるものか、2ラウンドあたりから失速して負けてしまうこともあった。

 PRIDEでは、破竹の10連勝のあと、マーカス・アウレリオに肩固めで敗れているし、マーカス・アウレリオに勝った石田光洋を1ラウンドKOで下したあとは、安心して油断したためか、ニック・ディアスにフットチョークで敗れている(ちなみに、この試合はディアスのマリファナ使用が発覚して、のちに無効試合になったけど)。

 戦極のリングでも、無名のロシアの格闘家、セルゲイ・ゴリアエフに敗れたばかり。

 マーカス・アウレリオと、ニック・ディアスは、柔術系の選手で、柔術系の選手を苦手にしているのかと思ったが、セルゲイ・ゴリアエフは打撃系の選手で、五味は打撃でダウンを奪われての判定負け。

 やはり五味が負けた試合には、なんか油断している空気が見えるような気がするのだが。

 一時期の五味の勢いにしびれたファンとしては、あの頃の無敵感を漂わせていた五味に戻ってほしい。

 そこで、北岡悟との試合に注目しているわけだ。

 北岡はパンクラスで実績を積み、戦極のライト級グランプリシリーズ2008で優勝。この大会は、エースの五味への挑戦権を賭けたものだったのだが、同大会(戦極~第六陣~)で五味は判定負けしちゃって・・・

「五味選手、負けちゃったけど本当に僕と試合するんですか?」なんて北岡に挑発されていたりして・・・

 ここで五味には燃えてほしい!

 北岡は、「キモ強」キャラで人気が出てきている選手。


http://number.goo.ne.jp/kakutogi/717/20081204-1-1.html


 僕としては・・・五味にキモ男に負けてほしくない!

 (別のキモキャラの青木真也は、あの個性的な足を使ったテクニカルな寝技がすごいので、結構好きだけど)

 五味の本当の復活を期待!

2008年12月3日水曜日

最強のハイキックの使い手は誰だ?





 史上最強のハイキックの使い手は誰だろうか?

 結論から言おう。MMAならミルコ・クロコップ、K-1ならピーター・アーツだ。

 議論は無用。まずは動画を見てほしい。

 ミルコは、立ち技の打撃で総合格闘技を席巻した、数少ない選手の一人。

 なぜミルコのハイキックが総合で効果を発揮したかと言うと、僕はミドルキックやローキックと判別がつきにくいフォームから、ものすごいスピードでハイキックが来るからだと思う。

 食らっている選手の映像を見ると、ミドルをガードしようとしている自分の手の動きが邪魔になって、ハイキックが見えていないのではないかと思うのだ。

 また、ミルコのハイキックのすごさは、その正確性もあげられる。

 的確にテンプルや首筋、顎などのKOできるポイントをけっている。

 中には、頭頂部にかする様にハイキックを当ててダウンを奪っているシーンもある。

 恐ろしい正確性だ。


 そんなミルコでも、立ち技巧者の多いK-1でハイキックでダウンを奪っているシーンは数えるほどしかない。

 それに対し、ピーター・アーツの全盛期には、そのハイキックは無敵の兵器のイメージがあった。

 接近戦での撃ち合いで打ち勝ち、逃げるように離れる相手をなぎ倒すハイキック。

 もみ合いで打ち負けずに打ち返そうとしてくる選手を押しのけつつ強引に放つハイキック。

 ミルコのハイキックがスナイパーなら、ピーター・アーツのハイキックは大砲のようだ。


 甲乙つけがたいが、ピーター・アーツが総合でこのように効果的にハイキックを使えるとは思えないし、逆にミルコもK-1でまれにしか効果的にハイキックを使えなかったように、それぞれのハイキックの特徴が、効果的な場面であらわれた、と言うほかないだろう。

2008年12月2日火曜日

高阪 剛が世界のTKとなった瞬間

【ニコニコ動画】UFC 16 高阪剛vsキモ 2/2

前に紹介した、高阪 剛が、世界のTKになった瞬間です。

1999年のことで、まだ総合格闘技が黎明期だった時代、寝技での打撃ありの技術はグレイシー一族の台頭により広がりつつはあったものの、その技術は十分に確立されてない時代でした。

動画でのコメントでもあるけど、今は主流の技術である鉄鎚がなかったらしい。

そんななか、高阪が披露したマウントポジションからの脱出技、TKシザースは人々を驚かせたのです。

この試合の相手はキモ。UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)で、あのホイス・グレイシーとの対戦で敗れはしたものの、ホイスを決勝戦棄権にまで追い詰めた男として、一躍名を挙げた選手でした。

当時、UFCのルールで日本人のヘビー級選手がキモに勝つ、なんてちょっと考えにくいほどだったのに、それを覆しての判定勝利。完勝に近い内容でした。

これから、高阪は世界のTKとなったんですね。

高阪のセコンドについているモーリス・スミスが誇らしけに「TK!TK!」と叫んでいる姿が印象的です。


高阪は指導者としても名高く、モーリス・スミス、フランク・シャムロック、吉田秀彦(学生柔道時代からの友人)などを指導したそうです。また、実況席における明晰な解説ぶりも高い評価を受けています。

この動画で出ているモーリスの他にも、高阪の指導を受けた選手は多いです。

高阪さんには、今後ヘビー級戦線で戦える、強い日本人選手を育ててもらって、もっとファンに夢を見させてもらいたいですね。期待しています。

2008年11月28日金曜日

やっぱりアンディ・フグは偉大だったと思う




 K-1といえば、最も印象に残っている選手の一人といえば、僕はK-1の創世記を支えた、アンディ・フグを挙げざるを得ません。

 初期のK-1の中で、四回優勝のアーネスト・ホーストや、三回優勝でトーナメント全試合1ラウンドKOという記録を持っているピーター・アーツのような、圧倒的な強さはありませんでしたが、それでも記憶に残る選手です。


 K-1のヘビー級戦線の中では小柄な体で、かかと落としやフグ・トルネードなどの華麗な技を駆使し、接近戦でも決して逃げることなく戦う姿は、感動的ですらありました。

 そのため、KO負けも多かったですが、それでも1996年には一度トーナメントを制しているのですから。そのころの、マイク・ベルナルドとの3度にわたる戦いはとても記憶に残っています。

 そして、アンディに対し最も感動したのは、その死にざまでした。

 アンディは、亡くなる2ケ月ほど前に、スイスでミルコ・クロコップを相手に、スイスでの引退試合を行っています。(判定勝ち)

 そして、亡くなる1ケ月ほど前にも日本でノブ・ハヤシを相手にワンマッチをこなしています。(KO勝ち)

 おそらく、この試合のころには、自分の命が短いことを知っていたのでしょう。もしかしたら、日本のK1関係者には言えなかったので、ワンマッチのオファーを断れなかったのかな・・・

ウィキぺディアより、アンディの最後の抜粋です。

急性白血病のことは周囲の心配をかけることを嫌い、家族にすら内緒にしていた。また、家族ぐるみで親交のあった角田信朗も、息を引き取る前日まで知らされていなかった。角田が慌てて病院に駆けつけた時には、既にアンディは声をかけても反応できない状態にあり、やがて心肺停止状態に陥った。しかし角田が「何してんねん!」「アンディ、ファイト!」「まだ戦えるやろ!」と声をかけると、アンディの心肺機能が一時復活した。アンディは角田の呼びかけに3度も応え、そして息を引き取った。その時、側にいた主治医は「角田さん、ドクターストップです。もう休ませてあげましょう」と角田を諭した。

 
最後まで闘っていたんですね。男だ、アンディ・フグ。

2008年11月27日木曜日

過去最高のK-1ベストバウト バダ・ハリVSルスラン・カラエフ




 K-1のヘビー級で、僕の中で最高のベストバウトは、この動画のバダ・ハリ対ルスラン・カラエフとの試合。

 この試合の前にハリとカラエフは対戦しており、その時にはカラエフのKO勝ち。しかし、その時にはカラエフの左右のフックで倒れた時にカラエフの蹴りが入っていたため、バダ・ハリがクレームをつけ、両者には因縁が生じていた。

 この試合は、見てもらえればわかるけど、非常に劇的な幕切れになった。

 カラエフのパンチでバダハリはダウンしたものの、ダウンから立ち上がったバダ・ハリにパンチで襲いかかるルスラン・カラエフに、狙い澄ましたカウンター一閃!


 カラエフは完全失神し、もう戦うことはできなかった。

 解説の魔裟斗の、「ふたりともMAXの選手より速い」というセリフが物語るように、圧倒的なスピードを誇る二人の、近年まれに見る好勝負でした。


 その後、バダハリもカラエフをライバルとして認める発言をしており、「ルスランにはおれのライバルとしてもっと頑張ってもらわないと」といっているそうです。


 その後、バダ・ハリはK-1ヘビー級チャンピオンになり、破竹の勢いが続いている。

 そしてカラエフは、その後バダ・ハリのマイクスジムの同門であるメルヴィン・マヌーフにもKOで敗れ、ガードの甘さと打たれ弱さを露呈したが、ワンナイト・トーナメントの大会であったK-1 WORLD GP 2008 IN TAIPEIにすべてKO勝ちで優勝したり、最近は好調のようだ。

 バダ・ハリもカラエフも勝っても負けても非常にインパクトがある試合をする選手。

 どっちが好きか?と言われたら、僕はスピード感あふれるファイトのカラエフ。

 しかし何度も壮絶な失神KO負けをしているので、脳障害なんかないだろうか?なんて心配になる時もある。

 バダハリとルスラン・カラエフのライバル対決、谷川さんが言っているように何度でも見てみたいです。


 

2008年11月26日水曜日

ヒョードルの穴を見つけたもう一人の人



 ヒョードルの穴を指摘している、ある格闘家の話です。

 その名は高阪剛。TKと呼ばれる、元はリングスやPRIDEで活躍した選手です。

 そして、アクシデントによる流血ドクターストップという形とはいえ、ヒョードルのプロ格闘家のキャリアの中で、唯一の黒星をつけた人物でもあります。

 TKシザースという、マウントポジション返しの技術を開発した、日本の総合格闘家の中でもパイオニア的な人の一人です。

 人呼んで、「総合格闘技の賢者」。

 この動画は、PRIDEでヒョードル対高阪の試合が行われた際の煽りVTRなのですが、そこで
隠されてはいるものの、高阪がヒョードルの弱点について指摘している部分があるんですね。


 隠されている部分、僕は見たくてしょうがない。

 おそらく、パンチを打つ際のフォームについて言っているんだと思うんですが、どうなんでしょう?

 ほんと、見てみたい。

 まあ、この後の試合では、高阪は善戦するものの残念ながら負けてしまったんですが、日本にこういう格闘家がいる、ということは誇れることだと思いますね。

2008年11月25日火曜日

ヒョードルの穴



 僕は「ヒョードルを倒すとしたら、タックルで倒せるパワーのある柔術家」だと前の記事で言いましたが、その理由がこれ。

 ヒョードル対ケビン・ランデルマンとの試合。


 タックルからのテイクダウンでランデルマンは倒したものの、上からのポジションで決める技術がなく、ポジションを返されてアームロックを決められてしまった。

 バックを取ってのバックドロップを危険な角度でヒョードルに決め、見せ場を作ったのだが。

 だから、テイクダウンを取った後、じわじわと追い詰め、確実に決めれる柔術の技術が不可欠なのだ。


 それから、もうひとつヒョードルの穴を見つけたんですよ。

 

 それがこの試合。

 藤田和之対ヒョードル。

 藤田のラッキーパンチで、あり得ないくらいのぐらつき方。

 ヒョードルは、実はそこまで打たれづよくは無いようなんです。ヒョードルだって人間なんだ。

 この試合もおしいとこまで行ったんだよね。テイクダウンして上になっているし。

 とすると、打撃の強い選手なら、可能性があるのかな?

 ただ、ミルコ・クロコップですら、ヒョードルにスタンドで打ち負けていると思わせる場面があるし、マーク・ハントも、現在K-1で最強のセーム・シュルトですら負けている。


 そもそも、ミルコほど総合格闘技に対応できている打撃系の選手はいないので、やはり倒せる選手が見当たらないなあ。

 

ヒョードル 最強の証明




 MMA(総合格闘技)の世界で、ここ数年にわたり世界最強の名をほしいままにしている、エメリヤーエンコ・ヒョードル。

 おそらく、ヒョードルが世界最強だとうたわれるようになったのは、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラとの試合からだろう。

 けど、僕にとっては、マーク・コールマンとヒョードルの2試合にわたる【新旧王者対決】も見逃せなかった。

 コールマンと言えば、レスリングのバックボーンを活かしたタックル、頭突き、パウンドという後にレスラーの基本戦法となる戦い方を確立し、当時UFCを席巻していたブラジリアン柔術家達を、パワーでねじ伏せていった選手。

 ヒョードルのような、立ってよし、寝てよしの選手でも、先にテイクダウンしてしまい、そのままパワーで圧倒する可能性があったからだ。

 それに、サンボにはチョークスリーバーなどの首を攻める技が禁止されているので、バックを取られるときついのでは?と思ったのだ。

(これは、最近のヒョードルの試合で、アメリカのAfflictionという団体のリングで、開始36秒でチョークスリーパーを決めて勝利しているし、藤田和之との試合でもチョークを決めているのでバックからの首への攻めもできる、ということを証明しているし、リングスマットに上がっていた時代にも何試合かチョークを決めているので、僕の間違いだろうが。)

 しかし、一度目の試合はテイクダウンからマウント、バックとポジションを奪われるも脱出し、その後再度タックルで下になったが腕ひしぎ十字固めで切り返し一本勝ち。

 二度目の対戦でも、立っての打撃で圧倒し、最後は腕ひしぎ逆十字で一本勝ちとなった。


 僕の中では、ヒョードルの世界最強を裏付けた裏バウトである。

 ヒョードルの強さは、以下の3点があげられると思う。

 1.サンボと柔道の技術を生かし、相手の寝た状態からの下からの攻撃をことごとく制することができるバランスの良さ。

 2.おそらく天性のものだろうが、寝ても立っても強力な打撃。(そのせいで拳を何度も骨折しているようですが)

 3.寝技での攻守にわたるポジション取りのうまさと、下からでも自在に決められる腕十字などの、極めの強さ。


 はっきり言って穴がない。

 おそらく、ヒョードルを倒すとしたら、タックルで倒せるパワーがある、レベルの高い柔術家のようなタイプしかいないのではないかと思う。

 はっきり言って見当たらないが。ノゲイラもすでに負けているし。


 あえて言えば、ヒクソン・グレイシーくらいか?でもそこまでのパワーはないか。


 ヒクソン対ヒョードルは見てみたい。ヒクソンはほぼ引退状態なので、引退試合としてヒョードルと試合してくれんかなあ。

 可能性はほぼゼロだろうが。

佐藤嘉洋VSブアカーオ




おれは、この試合を見てK1-MAXが好きになった。

佐藤嘉洋も好きになった。

佐藤は、魔裟斗よりもポテンシャルは高い選手だと思う。

あのブアカーオをKOで下したのだから、すごい。

ブアカーオ・ポー・プラムックといえば、2度のMAX王者に輝いている絶対王者と言われた男。

そのブアカーオを、KOしているのだ。

佐藤が強いのは、理由がある。「ダルシム」と言われるほどの長身からの長いリーチ、効くパンチと強いローキックが打て、そして一撃必殺のテンカオ(膝)がある。

あえて弱点を言うなら、時々手が止まり待ちになってしまうこと(スタミナに問題があるのかな?)

 だが、最近の躍進ぶりには、そういった弱点面の克服ができつつあるのだと思う。

 今の調子で伸びていったら、おそらく魔裟斗もそのうち敵ではなくなるだろう。

 来年の佐藤嘉洋のK1-MAX制覇に一票!

2008年10月1日水曜日

K-1 MAX 感動した!

 

今日、2008年のK-1 MAXの放映がありました。

 魔裟斗VS佐藤嘉洋。

 日本人の頂上対決、ということで、何かと話題になりましたよね。

 佐藤嘉洋は、2度のMAX王者に輝いた、ブアカーオをKOして、最も勢いがある選手の一人。

 試合が始まるまでは、僕は佐藤の勝ちを予想していた。

 なぜなら、魔裟斗は、多彩なパンチとラッシュで圧倒する選手で、最終的に手数で判定勝ち、というパターンが多い選手。

 佐藤はそれに対し、長身を生かしたパンチと膝のカウンターで、遠間からダメージを重ね、最終的にパンチでKO、という倒すことができる選手だから。

 魔裟斗が飛び込んでくるところにカウンターが当たり、佐藤がダウンを取るだろうと思っていた。

 はたして、試合はそのとおりになった。

 第二ラウンド、予想したとおりに、佐藤が魔裟斗からダウンを奪う。

 しかし、そこからの魔裟斗がすごかった。

 佐藤のパンチやローも明らかに効いているのに、手数で圧倒する魔裟斗。

 いくつか倒れてもおかしくないパンチを食らっているが、全くひるまない。

 もちろん、隋所で相手の攻撃をかわしつつ、攻め続ける。

 そして3ラウンド終了時には、ドローに持ち込み、エクストララウンドで判定勝利をおさめた。

 佐藤だって、的確な攻撃を出している。そしてその攻撃は、効いている。

 それでも、あれだけ手を出し続けるのは、並みの精神力とスタミナでできることではない。

 他の選手だったら、とっくにKOされているはずなのに、それでも勝っているのは魔裟斗だった。・・すげえ。

 そして、決勝の相手は、前年度王者のアンディ・サワーを相手に攻め続け、僅差の判定で決勝に上がってきたアルトゥール・キシェンコ。

 そして、魔裟斗は、またしても先にダウンを喫してしまう。

 準決勝であれだけの激闘の後だけに、そのダメージによるダウンだと思えた。

 だが、魔裟斗は、またしても驚異的な精神力とスタミナで攻め続ける。

 何度も危ない攻撃をくらいながらも、手を出し続け、キシェンコはその攻撃に顔をゆがませる場面が目立つ。

 そして、準決勝と同じく、ダウンを奪われながらも3ラウンド終了時に差がつかず、エクストララウンドでの逆転の判定勝利となった。

 僕には、魔裟斗の勝利は、愚直な修練の結果得た精神力とスタミナ、そしてあきらめない、折れない心がつかんだ勝利に思えた。

 一見スカシタ色男の魔裟斗は、そんなに好きというわけではないけど、今回のK-1 world MAXは感動した。

 おめでとう、魔裟斗選手!

あ、youtubeの動画は3つに分かれていたので、続きはyoutubeで見てくださいね。
 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081002-00000014-nks-fight