2008年11月25日火曜日

ヒョードル 最強の証明




 MMA(総合格闘技)の世界で、ここ数年にわたり世界最強の名をほしいままにしている、エメリヤーエンコ・ヒョードル。

 おそらく、ヒョードルが世界最強だとうたわれるようになったのは、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラとの試合からだろう。

 けど、僕にとっては、マーク・コールマンとヒョードルの2試合にわたる【新旧王者対決】も見逃せなかった。

 コールマンと言えば、レスリングのバックボーンを活かしたタックル、頭突き、パウンドという後にレスラーの基本戦法となる戦い方を確立し、当時UFCを席巻していたブラジリアン柔術家達を、パワーでねじ伏せていった選手。

 ヒョードルのような、立ってよし、寝てよしの選手でも、先にテイクダウンしてしまい、そのままパワーで圧倒する可能性があったからだ。

 それに、サンボにはチョークスリーバーなどの首を攻める技が禁止されているので、バックを取られるときついのでは?と思ったのだ。

(これは、最近のヒョードルの試合で、アメリカのAfflictionという団体のリングで、開始36秒でチョークスリーパーを決めて勝利しているし、藤田和之との試合でもチョークを決めているのでバックからの首への攻めもできる、ということを証明しているし、リングスマットに上がっていた時代にも何試合かチョークを決めているので、僕の間違いだろうが。)

 しかし、一度目の試合はテイクダウンからマウント、バックとポジションを奪われるも脱出し、その後再度タックルで下になったが腕ひしぎ十字固めで切り返し一本勝ち。

 二度目の対戦でも、立っての打撃で圧倒し、最後は腕ひしぎ逆十字で一本勝ちとなった。


 僕の中では、ヒョードルの世界最強を裏付けた裏バウトである。

 ヒョードルの強さは、以下の3点があげられると思う。

 1.サンボと柔道の技術を生かし、相手の寝た状態からの下からの攻撃をことごとく制することができるバランスの良さ。

 2.おそらく天性のものだろうが、寝ても立っても強力な打撃。(そのせいで拳を何度も骨折しているようですが)

 3.寝技での攻守にわたるポジション取りのうまさと、下からでも自在に決められる腕十字などの、極めの強さ。


 はっきり言って穴がない。

 おそらく、ヒョードルを倒すとしたら、タックルで倒せるパワーがある、レベルの高い柔術家のようなタイプしかいないのではないかと思う。

 はっきり言って見当たらないが。ノゲイラもすでに負けているし。


 あえて言えば、ヒクソン・グレイシーくらいか?でもそこまでのパワーはないか。


 ヒクソン対ヒョードルは見てみたい。ヒクソンはほぼ引退状態なので、引退試合としてヒョードルと試合してくれんかなあ。

 可能性はほぼゼロだろうが。